5月には、岩崎男爵別邸時代から植えられている84品種約3000株のツツジが一面じゅうたんを敷いたように美しく咲き誇り、庭園を埋め尽くします。庭園のツツジの多くは男爵別邸時代からのもので、樹齢100年以上経つ株や、人の背丈を超えるもの、貴重な品種などもあります。地形の起伏を利用して、富士山に向かって駆け上がるように、また芦ノ湖に向かって流れ込むように、“玉仕立て”と言われる丸く刈り込んだ大小のツツジの株が植えられ、まるで絵画のよう。
またツツジ開花に前後して、庭園奥のシャクナゲ園でも、岩崎男爵がツツジとともに植えたシャクナゲが華やかさを競います。周りの緑に抱かれるように、おおぶりな花がふっくらと咲くさまは優雅そのもの。「ゴーマー・ウォータラー」をはじめ学術的に貴重な西洋シャクナゲなど今では約40品種300株の花を咲かせます。
ツツジやシャクナゲに続き、6月中旬~下旬には約25品種230株のアジサイが見頃を迎えます。散策路に沿って咲くアジサイは、梅雨の季節も庭園をお愉しみいただけます。
チャペル前のローズガーデンは、箱根・芦ノ湖畔の自然に溶け込むよう、芝生と石畳を配置し、ナチュラルな庭園に仕上げています。庭を彩るバラは約30品種200株。高貴で目を引くものから清楚な花が咲く品種など、6月と10月の年2回見頃を迎え、バラの甘い香りで包まれます。
ホテルでは、岩崎別邸から引き継いだこの庭園を“より回りやすく“、そして“より自然が身近に”感じられるよう整備。メイン園路も歩きやすいように舗装しています。斜面にはスロープを設け、車椅子やご年配の方もスムーズに、安心して散策をお愉しみいただけます。
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見南山荘(けんなんさんそう)の碑
「見南山荘」とは、大漢和辞典の編纂者で、漢学者の諸橋轍次氏につけてもらった別邸の名前。碑には1938年、諸橋氏が別邸に赴いて講義をしたときの模様が歌われ、芦ノ湖の景観の素晴らしさなどが記されています。
ホテルとともに時を刻む 「日時計」
2009年4月、ホテル開業60年を記念して、別邸時代に使われていた日時計を復活させました。100年近い年月の間に失われた文字盤と針を新たに造り、庭園のシンボルとしてホテルの「時」を刻み始めました。
草木慰霊塔碑
岩崎男爵が庭園を造成するため、幾多の樹木や灌木を伐採せざるを得ず切り倒した草木のすべての霊に対して供養を施したいという思いから1937年(昭和12年)に建てられたものと伝えられています。
ゴーマー・ウォータラー
しゃくなげ園にある、日本で最初に輸入されたと言われる「ゴーマー・ウォータラー」。その存在は日本ツツジ・シャクナゲ協会にも認められました。
しゃくなげ園
岩崎男爵が、ツツジとともに植えたシャクナゲ。おおぶりな花がふっくらと咲くさなは、優雅な貴婦人のよう。洋種シャクナゲの中には、高さ4mに達するものや、樹齢100年近い古木など学術的にも貴重なものとされています。
ゴヨウツツジ
敬宮愛子内親王のお印にもなっている、ゴヨウツツジ。枝先に5枚の葉をつけることからこの名がつきました。別名「シオヤシロ」と呼ばれています。
三本杉
実際には7本ありますが、岩崎男爵の別邸時代から見る角度によって大きな3本の杉に見えるのでしょうか。「三本杉」と呼ばれています。
ビューポイント[富士山]
庭園から富士山を眺めることができる、ビュースポット。富士山をバックに記念撮影ができるおすすめスポットです。
ローズガーデン
2002年に向ヶ丘遊園から譲り受けたバラをはじめ、6月と10月の2回見頃を迎えます。高貴で目を引くものから清楚な花が咲く品種など、バラの甘い香りで包まれます。
八重げら
約3,000株あるツツジの中でも、一番大きな株の八重げら。高さ、直径ともに3メートル近くあり、その大きさに圧倒されます。
サンショウバラ[箱根の花]
富士山や箱根周辺にのみ分布する、フォッサマグナ要素植物のバラ。名前は葉の形が山椒の葉に似ている事に由来し、また分布域から“箱根薔薇”とも言われています。
ビューポイント[紅葉の小径]
ツツジ・シャクナゲで知られる庭園ですが、秋の紅葉シーズンには、この周囲一帯が黄色や赤へと色づき、その葉が敷き詰められると「赤い絨毯」の上を歩くかのよう。
マメザクラ
野生種の桜の一つ。他のサクラよりも葉も花も小さいことが名前の由来です。富士山周辺に多いのでフジザクラとも呼ばれています。
西脇呉石氏の碑石
西脇氏は、書家の大家にして漢詩と南画の才能の持ち主でもありました。箱根を愛しホテルに毎年訪れ、多くの詩編を詠みました。この碑は西脇氏の生誕100年を記念し、由縁の土地に造られた物です。
プレミアムショップ&サロン・ド・テ ロザージュ
別邸時代、岩崎男爵が趣味のモ−ターボートを走らせ、この場所を桟橋、艇庫として使用していました。その名残の石垣を見ることができます。現在では、ティーサロンとなっています。
アジサイ
2014年から3年に渡って徐々に植えられ、6月中旬から下旬に見頃を迎えます。青やうす紫の素朴な色合いのコアジサイや深山八重などのヤマアジサイ、華やかな彩りのコエルレアやプレジオサなどの西洋アジサイも観賞できます。
四季折々の花々が楽しめる、山のホテル庭園。美しい景観を満喫しながら、
自然溢れるホテルライフをお楽しみください。
春
4月には桜が、そして5月上旬から広大な敷地に84品種約3,000株のツツジが、それに前後して約40品種300株のシャクナゲが、色とりどりに咲き誇ります。
ツツジは樹齢100年を超えるものや、シャクナゲは岩崎男爵が留学先のイギリスから取り寄せたものなど様々。中でも、日本で最初に輸入された「西洋シャクナゲ」と文献に記されている「ゴーマー・ウォータラー」は、歴史的な価値が非常に高いシャクナゲです。
ツツジの開花時期 | 見頃:5月上旬~中旬 ※その年の気候により、開花時期は変わります。 |
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主なツツジの種類 | 麒麟(きりん)、若鷺(わかさぎ)、紅霧島、八重げら、花車、小紫、峰の松風、京鹿の子、ヤマツツジ、ゴヨウツツジなど |
シャクナゲの開花時期 | 見頃:5月中旬~下旬 ※その年の気候により、開花時期は変わります。 |
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主なシャクナゲの種類 | ゴーマー・ウォータラー、マイケル・ウォータラー、ウィリアム・オースティン、フォーチュネイ、キョウマルシャクナゲ、ホソバシャクナゲ、ツクシシャクナゲなど |
夏
約30種200株のバラが咲き誇る、ローズガーデン。一面に咲き誇ったバラの優雅な香りが庭園を包み込みます。また、散策路に沿って、約25種230株の彩り豊かなアジサイもご覧いただけます。それぞれの花々が織りなす色の競演を是非お楽しみください。
バラの開花時期 | 見頃:6月中旬~7月上旬 ※その年の気候により、開花時期は変わります。 |
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主なバラの種類 (約30種200株) |
ホワイトクリスマス、ダブルデライト、アイスバーグ、ゴールドバニー、チャールストン、ジュリア、マチルダ、クイーンエリザベス、ブルグント81など |
アジサイの開花時期 | 見頃:6月中旬~下旬 ※その年の気候により、開花時期は変わります。 |
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主なヤマアジサイの種類 (約25種230株) |
ヤマアジサイ・・・コアジサイ、深山八重、紅(くれない)、安行(あんぎょう)など 西洋アジサイ・・・コエルレア、プレジオサ、アナベルなど |
夏の手入れ
ツツジ・シャクナゲが咲き終えた初夏の頃、咲き終えた株に「お礼肥」を行います。翌年も美しく咲いてもらうため、咲き終えたツツジの根元に肥料を与える作業です。一株一株、株の周りに20〜30箇所の穴を掘り、丁寧に施す「お礼肥」は次の花芽を育てる栄養分となります。
6月半ばは、刈り込みが行われます。刈り込んだ部分から枝分かれして花芽がつくため、たくさんの花を咲かせる重要な作業です。来年の花芽がつく直前に、2〜3日で一気に行います。風通りを良くするため、剪定は1年を通してこまめに行います。
秋
初秋にも「ローズガーデン」ではバラを楽しむことができます。そして秋が深まるにつれ、庭園は美しい紅葉を魅せてくれます。黄色や、赤色に染まる絶妙なコントラストや、赤い絨毯のように遊歩道が落ち葉で染まり、趣深い庭園を楽しむことができます。
バラの開花時期 | 見頃:9月中旬〜10月中旬 ※その年の気候により、開花時期は変わります。 |
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主なバラの種類 (約30種200株) |
ホワイトクリスマス、ダブルデライト、アイスバーグ、ゴールドバニー、チャールストン、ジュリア、マチルダ、クイーンエリザベス、ブルグント81など |
紅葉の時期 | 11月上旬 ※その年の気候により、変わります。 |
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秋の手入れ
秋も終わる頃、庭園を埋め尽くされた落ち葉の回収を行います。集めた落ち葉はローズガーデンのバラの元肥にするため、堆肥させます。
このように、山のホテルの庭園は、来年咲く花の準備をしております。
冬
冬、良く晴れた空気の澄んだ日には、庭園から雄大な富士山を臨むことができます。真っ白な雪化粧をした富士山と青い空のコントラストは、箱根ならではの絶景です。カラフルな春夏とはひと味違う、冬ならではの静閑な景色をお楽しみください。
冬の手入れ
冬の間も虫や病気から守るために殺虫・消毒作業や除草も欠かせません。苔やカビはブラシでそぎ落としますが、大きな株では2人で1日かかるほどです。また冬は雪からの保護も大事な作業です。積もったままでは雪の重みで枝が折れてしまうため、降っている最中から雪下ろしが続きます。