箱根・芦ノ湖畔にあり、雄大な富士の姿を望む絶景のロケーションにある山のホテルの庭園。ここは、かつて三菱4代目社長・岩﨑小彌太男爵の別邸でした。

別邸時代には、5月の連休明けにツツジの花が、続いてシャクナゲが美しく咲き誇り、庭園を埋め尽くしました。後に、「山のホテル」になってからも、そのツツジ約30種3,000株とシャクナゲ約20種300株は大切に受け継がれています。
庭園には、江戸時代に作出された古品種のツツジが保存され、また、日本では最初に輸入されたと言われる西洋シャクナゲもあり、相当な樹齢の大株も多く、全国的に見ても第一級の価値がある庭園と専門家に認められています。

つつじ・しゃくなげフェアつつじ・しゃくなげフェア

つつじ・しゃくなげフェア
岩﨑小彌太男爵は、当時ツツジが咲き誇る別邸庭園で “園遊会”を開いてお客様をおもてなししました。富士山を背景に、赤、ピンク、白と一面に咲くツツジの花・・・一人でも多くの人と、この美しさを分かち合いたいという思いから、“園遊会”は開かれたのでしょう。別邸から、山のホテルになってからも、庭園のツツジは大切に受け継がれ、1965年(昭和40年)頃から毎年5月に「つつじ・しゃくなげフェア」を開催し、男爵のおもてなしのように多くのお客様に楽しんでいただいております。

つつじ・しゃくなげフェア2018 概要つつじ・しゃくなげフェア2018 概要

開催期間 2018年5月1日(火)〜5月下旬
※開花状況により期間終了日は変わります。
庭園見学料 800円(ツツジ開花中)
団体庭園見学料(15名様以上)700円
※大型バスでのご来館の際は、ご利用の一週間前までにご予約ください。
庭園見学時間 9:00〜17:00

現在の庭園状況

現在の庭園状況をスタッフがブログにて随時お知らせいたします!

スタッフブログはこちら

イベント情報イベント情報

  • つつじ・しゃくなげフェア2018 俳句募集 受付募集中
    岩﨑男爵は高浜虚子に俳句を学び、「巨陶」という俳号で句集を出したほど。そんな男爵にちなみ、「ツツジ」を兼題とした俳句を募集いたします。岩﨑男爵に思いを馳せ、俳句に詠んでみてはいかがでしょうか。
    ご応募頂いた作品は、銀化俳句会 主宰の中原道夫氏が選句し、優秀作品には賞品をご用意しております。
    応募締切 2018年6月30日(土)まで ※必着
  • つつじ・しゃくなげフェア2018 フォトコンテスト 受付募集中
    山のホテルでは、毎年この季節にフォトコンテストを行っております。
    皆様が撮影された庭園内のツツジ・シャクナゲに関するお写真の中から自信作をご応募ください。8月に応募作品をホテル施設内に展示し、お客様の投票により優秀作品を選出いたします。尚、優秀賞には賞品をご用意しております。
    応募締切 2018年6月30日(土) ※必着

庭園のツツジ・シャクナゲ庭園のツツジ・シャクナゲ

  • つつじ園MAP ツツジ園 品種紹介
  • しゃくなげ園MAP シャクナゲ園 品種紹介

しゃくなげ園MAP
庭園散策MAPはこちら

紫琉球(むらさきりゅうきゅう)

紫琉球(むらさきりゅうきゅう)
紫琉球(むらさきりゅうきゅう)
ヤマツツジ類園芸品種群 リュウキュウ系

常緑性ツツジ。薄紫、大輪、一重咲き。花弁は上部の3枚の切れ目が浅く、下部の2枚と離れて見える。ブロッチ(斑点)は濃紫。雄しべはI0本 で赤紫色、雌しべも赤紫色で雄しべの2倍程度の長さ。がくは大きくて粘る。
江戸時代から近代まで、かつては複数の紫色の品種が区別されていたが、現在は薄紫色大輪のツツジを紫琉球と総称する。
古い庭園に植栽されていることがあるが、園芸的な生産はないと思われる。

白錦(しろにしき)

白錦(しろにしき)
白錦(しろにしき)
ヤマツツジ類園芸品種群 オオヤマツツジ系

常緑性ツツジ。白滝(しらたき)とも呼ばれる。中輪二重、白色。がくが不完全に花弁に変化し、縁が不規則に切れ込む桂咲き。株は比較的小型で、玉造りの樹形となる。
本品種名は明治時代後期に現れているため、この頃に命名されたと思われる。
稀に関東地方の歴史的な庭園で栽培される貴重品種で、園芸的な生産もないと思われる。

ゴヨウツツジ

ゴヨウツツジ
ゴヨウツツジ
レンゲツツジ類 野生種

落葉性ツツジ。シロヤシオとも呼ばれる。
岩手県以南の本州太平洋側、四国に分布する落葉低木。枝先に5枚の葉をつけ、春に下垂する白花を咲かせる。樹齢とともにマツのように変化する樹皮も観賞される。
敬宮愛子内親王のお印であるために話題になり、販売された。夏季冷涼な気候に生育するため、平地で栽培することは困難である。

若鷺(わかさぎ)

若鷺(わかさぎ)
若鷺(わかさぎ)
ヤマツツジ類園芸品種群 キシツツジ系

常緑性ツツジ。大輪一重、薄肌色。春以外にも秋咲きすることが多い。 DNAによる分析でキシツツジの白花であることが明らかになっている。
江戸時代に本品種名は見られないが、明治から大正にかけて各地で販売されていた。 現在も栽培され、時に販売される。

峰の松風

峰の松風
峰の松風
ヤマツツジ類園芸品種群 リュウキュウ系

常緑性ツツジ。大輪一重で、白地に紅紫色の絞りが入る。絞りの数は少なく白花のように見える花も多いが、どこかに一点ごく小さな紅紫色が入る。
『錦繍枕』(1692年)に「みねの松風」が初出し、「白地にむらさきのすじとび入、さきわけ有。むじの白、むじのむらさきも咲ク、太りん」とある。明治時代以降、各地の種苗会社で販売されていたが、現在は生産されていないと思われる。関東の庭園に稀に植栽される貴重な品種。

難波潟(なにわがた)

難波潟(なにわがた)
難波潟(なにわがた)
ヤマツツジ類園芸品種群 クルメツツジ

常緑性ツツジ。中輪一重、淡丹紅色。花色は縁は濃く、中心に向かって白くなる。明治初期に作出された。

小紫(こむらさき)

小紫(こむらさき)
小紫(こむらさき)
ヤマツツジ類園芸品種群 オオヤマツツジ系

常緑性ツツジ。中輪一重、光沢のある紅紫。小紫は、オオヤマツツジ系の紫色品種の総称で、かつては数品種が記録されたが、現在では区別ができなくなった。
各地で栽培されるが、山のホテルには複数の系統があると考えられる。

八重げら

八重げら
八重げら
ヤマツツジ類園芸品種群 江戸キリシマ

常緑性ツツジ。小輪、がくが花弁化した二重咲きで、‘本霧島’よりも暗い朱赤色。花弁の幅も‘本霧島’よりも広い。
小松春三の「日本産躑躅属ニ就テ(承前)」(植物学雑誌 第32号大正7年)では、きりしまつつじ群(霧島性)を「正きりしま性」(現在の江戸キリシマ)と「久留米つつじ性」に分類し、前者のうち単弁で無地のものを花色が鮮やかな「きりきりしま」と 不鮮明な「けらきりしま」等に細分している。この「けらきりしま」の一重咲きが‘田無げら、であり、そのがくが花弁化したものが八重げら、とされる。

ヤマツツジ類園芸品種群オオヤマツツジ系

小紫(こむらさき)

小紫(こむらさき)
小紫(こむらさき)
ヤマツツジ類園芸品種群 オオヤマツツジ系

常緑性ツツジ。中輪一重、光沢のある紅紫。小紫は、オオヤマツツジ系の紫色品種の総称で、かつては数品種が記録されたが、現在では区別ができなくなった。
各地で栽培されるが、山のホテルには複数の系統があると考えられる。

白錦(しろにしき)

白錦(しろにしき)
白錦(しろにしき)
ヤマツツジ類園芸品種群 オオヤマツツジ系

常緑性ツツジ。白滝(しらたき)とも呼ばれる。中輪二重、白色。がくが不完全に花弁に変化し、縁が不規則に切れ込む桂咲き。株は比較的小型で、玉造りの樹形となる。
本品種名は明治時代後期に現れているため、この頃に命名されたと思われる。
稀に関東地方の歴史的な庭園で栽培される貴重品種で、園芸的な生産もないと思われる。

ヤマツツジ類園芸品種群リュウキュウ系

紫琉球(むらさきりゅうきゅう)

紫琉球(むらさきりゅうきゅう)
紫琉球(むらさきりゅうきゅう)
ヤマツツジ類園芸品種群 リュウキュウ系

常緑性ツツジ。薄紫、大輪、一重咲き。花弁は上部の3枚の切れ目が浅く、下部の2枚と離れて見える。ブロッチ(斑点)は濃紫。雄しべはI0本 で赤紫色、雌しべも赤紫色で雄しべの2倍程度の長さ。がくは大きくて粘る。
江戸時代から近代まで、かつては複数の紫色の品種が区別されていたが、現在は薄紫色大輪のツツジを紫琉球と総称する。
古い庭園に植栽されていることがあるが、園芸的な生産はないと思われる。

峰の松風

峰の松風
峰の松風
ヤマツツジ類園芸品種群 リュウキュウ系

常緑性ツツジ。大輪一重で、白地に紅紫色の絞りが入る。絞りの数は少なく白花のように見える花も多いが、どこかに一点ごく小さな紅紫色が入る。
『錦繍枕』(1692年)に「みねの松風」が初出し、「白地にむらさきのすじとび入、さきわけ有。むじの白、むじのむらさきも咲ク、太りん」とある。明治時代以降、各地の種苗会社で販売されていたが、現在は生産されていないと思われる。関東の庭園に稀に植栽される貴重な品種。

ヤマツツジ類園芸品種群クルメツツジ

難波潟(なにわがた)

難波潟(なにわがた)
難波潟(なにわがた)
ヤマツツジ類園芸品種群 クルメツツジ

常緑性ツツジ。中輪一重、淡丹紅色。花色は縁は濃く、中心に向かって白くなる。明治初期に作出された。

ヤマツツジ類園芸品種群江戸キリシマ

八重げら

八重げら
八重げら
ヤマツツジ類園芸品種群 江戸キリシマ

常緑性ツツジ。小輪、がくが花弁化した二重咲きで、‘本霧島’よりも暗い朱赤色。花弁の幅も‘本霧島’よりも広い。
小松春三の「日本産躑躅属ニ就テ(承前)」(植物学雑誌 第32号大正7年)では、きりしまつつじ群(霧島性)を「正きりしま性」(現在の江戸キリシマ)と「久留米つつじ性」に分類し、前者のうち単弁で無地のものを花色が鮮やかな「きりきりしま」と 不鮮明な「けらきりしま」等に細分している。この「けらきりしま」の一重咲きが‘田無げら、であり、そのがくが花弁化したものが八重げら、とされる。

ヤマツツジ類園芸品種群キシツツジ系

若鷺(わかさぎ)

若鷺(わかさぎ)
若鷺(わかさぎ)
ヤマツツジ類園芸品種群 キシツツジ系

常緑性ツツジ。大輪一重、薄肌色。春以外にも秋咲きすることが多い。 DNAによる分析でキシツツジの白花であることが明らかになっている。
江戸時代に本品種名は見られないが、明治から大正にかけて各地で販売されていた。 現在も栽培され、時に販売される。

その他

ゴヨウツツジ

ゴヨウツツジ
ゴヨウツツジ
レンゲツツジ類 野生種

落葉性ツツジ。シロヤシオとも呼ばれる。
岩手県以南の本州太平洋側、四国に分布する落葉低木。枝先に5枚の葉をつけ、春に下垂する白花を咲かせる。樹齢とともにマツのように変化する樹皮も観賞される。
敬宮愛子内親王のお印であるために話題になり、販売された。夏季冷涼な気候に生育するため、平地で栽培することは困難である。

ツツジの年間の手入れツツジの年間の手入れ

  • 美しく咲き終えた株に、お礼肥で栄養補給

    美しく咲き終えた株に、

    お礼肥で栄養補給

    次の年も美しく咲かせるための世話は、開花後、栄養を使い切って消耗したツツジの根元に肥料を与えることから始まります。美しい花を咲かせてくれたツツジへ、お礼の気持ちを込めた「お礼肥」は、社員総出で行います。一株一株、株の周りに20~30ヵ所の穴を掘り、丁寧に施した肥料は、次の花芽を育てる大切な栄養分となります。

  • 剪定も1年で大切な作業。一枝一枝見極めて丈夫な株を作ります

    剪定も1年で大切な作業。

    一枝一枝見極めて丈夫な株を作ります

    6月半ばには刈り込みが行われます。刈り込むと枝分かれしてたくさんの花芽がつき、翌春により多くの花を咲かせます。来年の花芽がつく直前に、スタッフ総動員で、2~3日で一気に行います。また、剪定は1年をとおして、こまめに。枝が込み合っていると風通しが悪くなり、苔やカビがつくなどして、木が弱ってしまうのです。

  • 消毒、殺虫、落ち葉清掃・・・・・・秋冬もお世話は続きます

    消毒、殺虫、落ち葉清掃・・・・・・

    秋冬もお世話は続きます

    株を虫や病気から守るために殺虫・消毒作業や除草も欠かせません。苔やカビはブラシで丁寧にそぎ落としますが、大きな株になると2人で1日かかるほど。秋は落ち葉の除去、冬は雪からの保護が大事な作業になります。積もるような雪が降るときは、何度も降っている最中の雪下ろし。積もったままにしておくと、雪の重みで枝が折れてしまうのです。

しゃくなげ園MAP
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キョウマル・シャクナゲ

キョウマル・シャクナゲ
キョウマル・シャクナゲ
野生種 日本原産

日本固有種で、長野県、静岡県、愛知県の山地に分布する。ツクシシャクナゲの変種。環境省絶滅危惧Ⅱ類。
葉は幅広く、裏毛は少ない。蕾は濃ピンク紅色だが、咲くと淡ピンクに変化する。花弁は5枚が基本だが、6、7枚も混じる。雄しべの数は花弁枚数の2倍。

ゴーマ・ウォータラー

ゴーマ・ウォータラー
ゴーマ・ウォータラー
日本名:大華殿(たいかでん)
園芸品種 西洋シャクナゲ

花は大輪、白色で薄藤色が入り、ブロッチ(斑点)は黄茶色。
イギリスで1900年以前に作出された。日本で現存する株は非常に少ない。
本品種は、岩﨑小彌太が日本で初めて導入したシャクナゲのひとつである。

マイケル・ウォータラー

マイケル・ウォータラー
マイケル・ウォータラー
日本名:照姫(てるひめ)
園芸品種 西洋シャクナゲ

ヨーロッパなどに自生する野生種ポンティクムの交配種。花は中輪で、色は濃暗紅色、花の奥に暗色のブロッチ(斑点)がある。
現在は園芸的な生産はなく、現存数も少ないため、貴重な品種。イギリスで1865年頃作出された。

ノバ・ゼンブラ

ノバ・ゼンブラ
ノバ・ゼンブラ
園芸品種 西洋シャクナゲ

花は大輪、暗紅赤色で、濃色のブロッチが逆三角形に入る。戦前から戦後にかけての赤色の代表品種で、耐寒性が強い。
現在は生産されていない貴重な品種。
オランダ(Koster & Sons)で1902年に作出された。

ステラ・ウォータラー

ステラ・ウォータラー
ステラ・ウォータラー
日本名:花競(はなぎそい)
園芸品種 西洋シャクナゲ

花は中輪で、少し紫がかったピンク、ブロッチは濃色で目立つ。雄しべは白く、花弁より短い、雌しべはほぼ花弁と同じ長さ。葉は濃緑色、長さ15cm、幅4.5cmくらいで、細長く、裏毛が薄く生えている。
商業的な生産はなく、栽培も非常に少ないと思われる貴重な品種。
イギリスで1865年以前に作出された。

シャクナゲ野生種 日本原産

キョウマル・シャクナゲ

キョウマル・シャクナゲ
キョウマル・シャクナゲ
野生種 日本原産

日本固有種で、長野県、静岡県、愛知県の山地に分布する。ツクシシャクナゲの変種。環境省絶滅危惧Ⅱ類。
葉は幅広く、裏毛は少ない。蕾は濃ピンク紅色だが、咲くと淡ピンクに変化する。花弁は5枚が基本だが、6、7枚も混じる。雄しべの数は花弁枚数の2倍。

園芸品種 西洋シャクナゲ

ゴーマ・ウォータラー

ゴーマ・ウォータラー
ゴーマ・ウォータラー
日本名:大華殿(たいかでん)
園芸品種 西洋シャクナゲ

花は大輪、白色で薄藤色が入り、ブロッチ(斑点)は黄茶色。
イギリスで1900年以前に作出された。日本で現存する株は非常に少ない。
本品種は、岩﨑小彌太が日本で初めて導入したシャクナゲのひとつである。

マイケル・ウォータラー

マイケル・ウォータラー
マイケル・ウォータラー
日本名:照姫(てるひめ)
園芸品種 西洋シャクナゲ

ヨーロッパなどに自生する野生種ポンティクムの交配種。花は中輪で、色は濃暗紅色、花の奥に暗色のブロッチ(斑点)がある。
現在は園芸的な生産はなく、現存数も少ないため、貴重な品種。イギリスで1865年頃作出された。

ノバ・ゼンブラ

ノバ・ゼンブラ
ノバ・ゼンブラ
園芸品種 西洋シャクナゲ

花は大輪、暗紅赤色で、濃色のブロッチが逆三角形に入る。戦前から戦後にかけての赤色の代表品種で、耐寒性が強い。
現在は生産されていない貴重な品種。
オランダ(Koster & Sons)で1902年に作出された。

ステラ・ウォータラー

ステラ・ウォータラー
ステラ・ウォータラー
日本名:花競(はなぎそい)
園芸品種 西洋シャクナゲ

花は中輪で、少し紫がかったピンク、ブロッチは濃色で目立つ。雄しべは白く、花弁より短い、雌しべはほぼ花弁と同じ長さ。葉は濃緑色、長さ15cm、幅4.5cmくらいで、細長く、裏毛が薄く生えている。
商業的な生産はなく、栽培も非常に少ないと思われる貴重な品種。
イギリスで1865年以前に作出された。

山のホテル庭園プロジェクト「男爵の100年ツツジ 100年先への挑戦」山のホテル庭園プロジェクト「男爵の100年ツツジ 100年先への挑戦」

ツツジ・シャクナゲ画像

庭園のツツジやシャクナゲの中には樹齢100年以上経つ株もあります。
山のホテルになってからも、庭園は専任のスタッフたちの手によって丹精されています。
ホテルでは由緒ある庭園の維持・再生を目的に、庭園プロジェクト
「男爵の100年ツツジ 100年先への挑戦」を2015年より10ヵ年計画で開始しました。

100年後を視野に入れ、ツツジは挿し木で、シャクナゲは接木によって、「男爵のツツジ」のDNAを残すという方法で、“今と変わらぬ庭園を次世代に引き継ぐ”プロジェクトを遂行しながら、ツツジ・シャクナゲを大切に維持管理しています。

ツツジプロジェクト――「男爵のツツジ」を100年先までツツジプロジェクト――「男爵のツツジ」を100年先まで

ツツジプロジェクトでは、現在のツツジが枯れたり弱ったりしたとき、新たに購入した木を植えて今の庭園を維持するのではなく、手間はかかっても、挿し木で「男爵のツツジ」のDNAを残し、その木を植えていくことにしました。協力を仰いだのは、新潟市にある一軒の農園。新潟県はツツジ・シャクナゲの生産量が日本一で、花卉農家も多く、数多くの新品種を作出した歴史もあります。
2015年6月、岩﨑小彌太男爵が植えた木の中から小紫、白錦、八重げらなど6品種の枝(穂木)を採取。新潟に送り、挿し木で育てられました。この苗木が30㎝ほどに成長したので、一部をホテルに戻し、庭園の一角にある圃場に植えました。さらに、70㎝ほどに育ってから、庭園に定植して行く予定です。
▲ 庭園に咲く八重げら

▲ 八重げら

  • 穂木採取

    穂木採取

    5月にツツジの花が咲き、1ヵ月後位に行う刈込みの前に、新しく伸び始めた新芽部分、穂先10cmほど(穂木)を採取します。採取する木は、岩﨑男爵の別邸時代から植わっている老木たちです。
  • 新潟へ発送

    新潟へ発送

    1株から200本ほど採取した穂木は十分水を吸わせ、品種ごとにビニール袋に入れます。ここに、ポンプで空気をたっぷり入れて、梱包して、翌日届くように新潟に発送します。
  • 挿し木で育成

    挿し木で育成

    穂木は農園のビニールハウスで品種ごとに挿し木をされます。根と新芽が出て、ある程度大きくなると1株ずつ鉢に植え替え、株の先端の芽を剪定し腋芽を吹かせ、株が広がりを出すようにして苗木を大きくしていきます。
  • ホテルの圃場で育成

    ホテルの圃場で育成

    穂木採取から2年が経過し、30cmほどに育った6品種の苗木の一部がホテルに戻ってきました。スタッフによって庭園の圃場に植えられ、現在、大切に育てられています。

シャクナゲプロジェクト――学術的にも貴重な品種のDNAを残すシャクナゲプロジェクト――学術的にも貴重な品種のDNAを残す

ツツジとともに岩﨑男爵が愛した花がシャクナゲです。広大なツツジ園の奥の急斜面に位置するシャクナゲ園では、西洋シャクナゲや日本シャクナゲなど約20種300株が育てられ、ツツジと前後して見頃を迎えます。男爵が留学先のイギリスから取り寄せたシャクナゲは、日本で最初に輸入された西洋シャクナゲといわれ、学術的に大変貴重なものとされています。
ホテルではツツジと同様、シャクナゲも貴重な品種のDNAを残していくことを計画。2015年12月、接木による再生プロジェクトを開始しました。対象となった品種は、男爵がイギリスから輸入したゴーマ・ウォータラーとマイケル・ウォータラーの2種。新潟の農園に10〜15㎝長さの穂木を各10本送り、根のついた別のシャクナゲの幹を切って、穂木の切断面と固定することで接木し、育成しています。3年後位に、40㎝ほどに育った苗をホテルの庭園に補植する予定です。
▲ ゴーマ・ウォータラー

▲ ゴーマ・ウォータラー

採取

採取

採取した穂木

採取した穂木

接木した鉢

接木した鉢

庭園で採取した穂木は、新潟で、別な品種のシャクナゲと、幹の断面どうしをあわせて固定し接木します。

品種調査と土壌改良品種調査と土壌改良

岩﨑男爵が植えたツツジやシャクナゲの中には、長い年月の間に品種がわからなくなってしまったものがあります。 そこで2016年から、開花時にツツジ・シャクナゲの研究家 倉重祐二氏(新潟県立植物園園長)による品種調査を行っています。調査の結果、ツツジ・シャクナゲともに相当な樹齢の大株が多く、日本では他に栽培例の少ない希少品種が多数栽培されていることもわかりました。引き続き詳細な調査を実施するとともに、長期的な視野に立った栽培管理として、庭園の土壌改良も、年月をかけて、順次行っていく予定です。

土壌改良

土壌改良

品種調査

品種調査

庭園プロジェクトで「品種調査」をサポートしてくださるツツジ・シャクナゲ研究家 倉重祐二氏

庭園プロジェクトで「品種調査」をサポートしてくださるツツジ・シャクナゲ研究家 倉重祐二氏

ツツジ・シャクナゲ研究家 倉重祐二氏

プロフィール

神奈川県横浜市生まれ。千葉大学大学院園芸学研究科修了。赤城自然園(群馬県)を経て、現在は新潟県立植物園園長。ツツジ属の栽培保全や系統進化、花卉園芸文化史を専門とする。「趣味の園芸」(NHK)に講師として出演。著書に『よくわかる栽培12ヶ月 シャクナゲ』(NHK出版)、『増補原色日本産ツツジ・シャクナゲ大図譜』(改訂増補、誠文堂新光社)、『日本の野生植物』(平凡社)など。

庭園プロジェクトに携わるホテルスタッフの想い

庭園プロジェクトに携わる
ホテルスタッフの想い

  • 山のホテル支配人稲本 光央

    山のホテル支配人稲本 光央

    ツツジ・シャクナゲが咲き誇る庭園は、後世に継承すべき宝です。そして代々の支配人たちの「山のホテルのツツジを守り抜いていく」ことへの誇りを、私も受け継いでいきたいと思います。
  • 技術マネジャー中澤 潤也

    技術マネジャー中澤 潤也

    庭園には100年を越える老木も多いので、再生・育成チャレンジを推進したい。プロジェクトスタート時の熱い思いを胸に留めつつ、お客さまに最高のひとときを提供していきます。
  • 技術アシスタントマネジャー大橋 明雄

    技術アシスタントマネジャー大橋 明雄

    2014年の大雪時、ツツジが雪に埋まっている光景を見て驚愕。ツツジが咲く2週間のお客さまの笑顔を励みに、1年かけて美しい庭園を維持していくことが使命と感じています。